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国際会議「中蒙露経済回廊と東北アジア地域協力」フフホトで開催(2017年10月13日)

2017年10月13日、中国内モンゴル自治区の首都フフホトで、社会科学論壇2017「中蒙露経済回廊と北東アジア地域協力」国際会議が開催されました。毎年秋に開催されるこの会議は、中国社会科学院辺疆研究所が中国の国境自治体や地域の大学との共催で実施することが多く、今年のパートナーは内蒙古財経大学でモンゴルを加えての国際会議となりました。中国の地方で開催される会議としては大規模で、中露英の3か国語同時通訳に加え、ワシントンや(近年では)モスクワのシンクタンクを思わせるような洒落たスタイルが目を見張りました。

ヴィクトル・ラーリン氏によるロシア極東についての報告、英国学者による中央アジアの報告など内容も多彩で、報告者(岩下)は先月実施したばかりの(中露国境のかつての係争地)ヘイシャーズ島への日本発ボーダーツーリズムを話題にし、昨今の中露国境地域の「成熟」とこれが外に向けて「開放」されていることの意義をプレゼンしました。

本拠点が力を入れている「北東アジア地域共同体」の再構築にも論議が及び、地域で孤立している北朝鮮とのパイプを有するモンゴルの貢献などにも話が及び、本拠点がモンゴルを重視している意義が確認されました。

ところでこの会議を主催している辺疆研究所の所長は、スラブ研にも縁の深い邢広程氏です。同研究所とはGCOE「境界研究の拠点形成」サマースクールで中国からの若手研究者招請で協力関係にありましたが、近い将来、札幌で日本と中国の北東アジア地域における対話会議を開こうというアイデアが生まれました。   (岩下明裕)